情報共有基地

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ウクライナの話② 2014年から続いていたウクライナ戦争

 

「ロシア対ウクライナ」ではない

まず初めに正しい認識として持ちたいのは、2022年2月に発生したウクライナ騒動の対立構図は「ロシア対ウクライナではなく、「ロシア対NATOだということです。

経緯を説明します。

NATOとは

NATONorth Atlantic Treaty Organization - 北大西洋条約機構

第二次世界大戦終結後、東西冷戦の激化したことに伴い、1949年北大西洋条約が締結、NATOが創設される。当初の加盟国は12ヵ国。(イギリス・フランス・オランダ・イタリア・アメリカ・カナダなど)その目的はソ連などの共産主義国の脅威に対抗して軍事同盟を結ぶことでした。一方でソ連も「ワルシャワ条約機構」を設立、以降、長らく両社の対立が続くことになります。西欧諸国はアメリカの強い影響下に置かれることになりましたが、二度の世界大戦で甚大な被害を受けた西欧諸国は、アメリカの軍事力と核の抑止力のもとに、安定した経済成長を遂げる道を選びました。アメリカは核兵器を搭載可能な中距離弾道ミサイルを西欧諸国に配備し、アメリカ製兵器が各国に供給されるようになりました。しかし1989年、米ソの「マルタ会談」の結果、冷戦は解消し、それに続く東欧諸国の動乱と1991年のソ連崩壊でNATOは創設当初の目的を失いました。その後、NATOは役割を大きく変え、新たな戦略概念として周辺地域の紛争抑止や危機管理、対テロ対策を実地する枠組みへと変化していきました。2020年の現在ではNATO加盟国は30ヵ国まで増えました。

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1991年ソ連の崩壊後、NATOアメリカ)とロシアの間には「NATOは東へ1ミリも拡大しない」という合意がありました。しかしこの約束は反故にされ、NATO加盟国を増やす形で、軍事同盟エリアを拡大してきました。NATO加盟国は地域ごとにNATO軍を結成し、弾道ミサイル配備などの軍備を整えます。ロシアはNATOの軍備拡大に対し、幾度となく強い懸念を主張し、反発してきました。そして現在、ソ連の一部であったウクライナまでNATOに加盟する動きまで出てきました。

このようにソ連崩壊後、共産主義社会主義でなくなったロシアですが、アメリカが主導するNATOは存続し続け、ロシアへの圧力を強めていったという背景があります。

 

 

侵攻前に行ったプーチン大統領の記者会見

 

ネオナチ勢力「アゾフ大隊」の存在について

次に説明しなければならないのは、アゾフ大隊の存在についてです。メディアではほとんど報道されませんが、ウクライナにはアゾフ大隊(現在は連隊に昇格、大隊が2~3隊の規模)という私兵団があり、このアゾフ連隊がウクライナ国家親衛隊として、国家憲兵、国家安全保障の任務に就いています。問題とされているのが、このウクライナ国軍であるアゾフ大隊が極右過激主義の「ネオナチ勢力」だという点です。

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ネオナチとは

ネオナチとは、ナチズムを復興しようとする、または類似性を持つ、第二次世界大戦後の社会的あるいは政治的運動の総称である。「ネオナチ」という語は、それらの運動のイデオロギーを指す意味でも使われている。ネオナチのイデオロギーは、オリジナルのナチスやナチズムに近いものから、相違点が大きいものなどさまざまである。概して部外者に使う言葉である。多くの国に組織があり国際的なネットワークも存在するなど、世界的に見られる現象となっている。 参照/ネオナチ - Wikipedia

 

 

※閲覧注意(写真には犠牲となった市民が映っています)

 

日本公安がウクライナのネオナチ勢力の存在を認めている

このネオナチ勢力であるアゾフ大隊について、此の程のメディア報道では事実無根のデマと喧伝しています。しかし当時の記事や公式文書には存在を示す証拠が多数残っていることは事実です。日本の公安調査庁公式ページでも、はっきりとその存在を認めています

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極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり | 国際テロリズム要覧2021 | 公安調査庁

https://archive.ph/fUbE2 ←Web魚拓(削除対策)

 

アメリカ議会も認めている

またアメリカ議会も、過去にこのネオナチ勢力を認めており、そして今はそれに触れる関連記事を削除しています。

GT調査:米国がネオ・ナチ「アゾフ大隊」 を支援していた可能性を示す証拠 GT 翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)

 

 

ウクライナの歴史

ウクライナの歴史はとても複雑なので概略で説明します。元々はローマ帝国崩壊後、東欧に住む東スラブ系民族ルーシ人が建国したキエフ公国というロシアの起源と言える国でした。(諸説あります)そのキエフ公国はモンゴル帝国に潰され、ポーランドリトアニア王国に支配され、ロシア人により奪還、ロシア帝国として拡大、その後、ナポレオンのロシア侵攻、ロシア帝国崩壊後のソ連、ドイツとの戦争など、東西対立の主戦場として戦火に巻き込まれ続けてきた地域でした。そして1991年のソビエト崩壊後、ソ連の共和国が独立していく中にウクライナもありました。ロシアはこれらの地域がNATOに加盟しないという条件付きで独立を認めました。この歴史の中でようやくウクライナは独立国となり30年が経過、今に繋がります。

ここでは、この争いの引き金となった2014年からの出来事を中心にまとめていきます。

 

2014年に起きたクーデター「マイダン運動」

2014年に首都キエフで起きた反政府運動ウクライナ騒乱、マイダン革命とも呼ばれます。ウクライナ政府とマイダンデモ参加者との間で激しい暴力的衝突の結果、当時の大統領ヴィクトール・ヤヌコーヴィチは失脚し、ロシアへ亡命することになった革命運動です。そしてマイダン運動側の勝利により、新たな政権が発足しました。

2014年ウクライナ騒乱 - Wikipedia

このマイダン運動ですが、西側メディア報道では市民による民主主義革命とされていますが、その裏にはNATOアメリカ)の支援があるとされています。

マイダン運動の結果起きたのが、マイダン運動に反対を唱える人達たちへの虐殺事件です。

 

オデッサ虐殺事件

以下の動画は、衝撃的な内容であるため閲覧注意です。ですが、ウクライナで何が起きているのか、今この世界で起きている事象を理解するため、出来る限り自分の目で確認して頂きたいと思います。

 

オデッサの悲劇」生き残った当事者証言によるドキュメンタリー動画

 

オデッサ虐殺関連映像

 

ウクライナで何が起きたのか?(犠牲となった人々)※閲覧注意

What is happening in Ukraine - Was passiert in der Ukraine

 

アゾフ大隊の誕生

マイダン運動の主導した過激派の民兵グループは、その後、NATOアメリカ)の支援を受け2015年にアゾフ大隊として創設されました。これはアメリカとしては認めたくないない内容ですが、その証拠はいくつも残っています。

 

CIAによる特別訓練を受けるウクライナ部隊

Op-Ed: The CIA has backed Ukrainian insurgents before. Let's learn from those mistakes - Los Angeles Times

 

殺戮を楽しむ我々ネオナチは西側から大量の武器供給を受けている

ウクライナのネオナチ組織C14(S14)の2022年2月の記者会見。西側の支援でウクライナの2014年クーデターを担った、今もロシア崩壊と分割に向けて武器供給されている、欧州全域に潜伏した構成員が直に世界中の脅威となるなど、得意げにウクライナ危機の裏事情を語っている。 Tomoko Shimoyama (@TomokoShimoyama) | Twitter

 

子供を訓練するアゾフ大隊

 

ネオナチによる子供たちへの洗脳教育

 

ナチスシンボル「ブラックサン」

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https://djanimateurfinistere.com/wiki/Black_Sun_(symbol)

 

生活に溶け込むネオナチ思想

 

ドンバス戦争

その後、ウクライナのネオナチ部隊はウクライナ東部ドンバス地域に対し戦争を仕掛けました。ドンバス地域(ドネツク・ルガンスク)には主にロシア人や親ロシアの人達が住んでいます。

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ドンバスの虐殺

 

メディア報道の映像などで、瓦礫となった町や、ロシア軍攻撃による被害として、頻繁に出てくるのは、このドンバス地域のドネツク州やルガンスク州です。

 

守られることのなかったミンスク合意

NATOウクライナが戦争を仕掛ける理由は、ドンバス地域には、親ロシア派の分離主義者で反乱軍がいるということです。この主張の真偽についてはわかりません。

2014年、ロシア側はウクライナのネオナチ勢力による、ドンバスでの虐殺行為を止めるために「ミンスク合意」という停戦協定を設けます。

ミンスク議定書

2014年9月5日にウクライナロシア連邦ドネツク民共和国、ルガンスク人民共和国が調印した、ドンバス地域における戦闘の停止について合意した文書。これは欧州安全保障協力機構の援助の下、ベラルーシミンスクで調印された。 ミンスク議定書 - Wikipedia

しかし、この合意は守られることはありませんでした。

2014年に始まったウクライナ軍によるドンバス市民への攻撃は、現在までの8年ずっと続いています。

 

ドンバスへの攻撃は現在までの8年間続いている

 

プーチン大統領の演説

プーチン大統領ウクライナへの軍事作戦を開始するにあたっての演説です。

今回の作戦を実行する理由が明確に述べられています。

 

プーチン大統領が軍事作戦を実行する理由として述べた内容

・8年間続くジェノサイドからドンバス地域の民間人を守るため

ウクライナ政権中枢に巣食うネオナチ勢力を排除するため

NATOアメリカの脅威から自国を防衛するため

 

このようなメディアで報道されない情報とプーチン大統領の主張を合わせて考察してみると、今起きているウクライナ戦争と呼ばれるものは、2022年に始まったわけではなく、「8年間続いた戦争を終わらせるための戦い」と言えると思います。この結果がどのようになるかは、まだわかりません。

 

次は現在、ウクライナで起きている戦争の実態をまとめてみようと思います。